イロワケイルカ

イロワケイルカの生態

和名:イロワケイルカ
学名:Cephalorhynchus commersonii
英語:Commerson’s dolphin 仏語:Dauphin de Commerson 西語:Tonina overa

イロワケイルカの分類:クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科

イロワケイルカのサイズ

新生児:体長65〜75cm
成 体:南アメリカ沖  体長1.5m  体重66kg
    ケルゲレン諸島 体長1.75m 体重86kg

イロワケイルカのウォッチング最適地と適期

イロワケイルカのウォッチング最適地は、アルゼンチン、パタゴニアのサンタクルス州です。
適期は12〜3月で、ミナミカマイルカも観察できるそうです。

イロワケイルカの地理的分布

地理的分布
地理的分布
イロワケイルカは南アメリカとフォークランド諸島沖とケルゲレン諸島沖の二つの分布域に不連続な個体群があり、サウスジョージアで未確認の発見報告例もあるようですが、最近では否定的です。

イロワケイルカは比較的浅い沿岸域を好みますが、冬、個体群によってはやや沖合へ移動します。

イロワケイルカの特徴

イロワケイルカはずんぐりとした体をしており、ネズミイルカ科の仲間とよく似ています。
頭部は丸く、口唇線はほぼ直線状で、クチバシは短いか殆どありません。

背ビレの先は丸く高さがなく、背中から浅い角度で立ち上がっています。
胸ビレ、尾ビレの先も丸く、身体の色は白と黒にはっきりと分かれていますが、ケルゲレン諸島の個体群は明らかに独立しており、南アメリカの個体と比べて体長が大きく、色も白と黒と言うよりも灰色の濃淡です。
背側は白い帯が噴気孔の後ろから背ビレの前までの幅で完全に体を一周しています。

喉には大きな白い斑紋があり、黒い楕円形かハート型の斑紋が生殖溝を取り囲んでいますが、その斑紋は雄と雌では形が異なり、様々な形をしています。
それは通常、雌では先端が前方に向いたハート型で、雄は反対側を向いているそうです。

前方部分を含む頭部、胸ビレ、背ビレ、尾ビレは黒色です。
新生児はほぼ灰色の曖昧な色です。

歯は各歯列に28〜35本の尖った歯があります。

イロワケイルカ
イロワケイルカ
イロワケイルカ
イロワケイルカ
イロワケイルカ
イロワケイルカ


イロワケイルカの行動

イロワケイルカは10頭以下の小さな群で生活することが多いのですが、
たまに100頭を超える群を作ります。

イロワケイルカは素早く活発で、船首波に乗ったり、様々な跳躍をし、
よく上下逆さまになって泳ぎます。

イロワケイルカの繁殖時期は南半球の春と夏。9〜2月頃です。

イロワケイルカの餌は様々な魚、イカ、海老です。
主として海底近くで摂餌しますが、状況に応じているそうです。