ミナミセミクジラの生態
和名:ミナミセミクジラ学名:Eubalaena australis
英語:Southern right whale 仏語:Baleine australe 西語:Ballena franca austral
ミナミセミクジラの分類:クジラ目ヒゲクジラ亜目セミクジラ科
ミナミセミクジラのサイズ
新生児:体長4.5〜6m成 体:体長17m(18mになることもあります)
体重は少なくとも100t
ミナミセミクジラのウォッチング最適地と適期
ミナミセミクジラのウオッチング最適地はアルゼンチン、パタゴニアのバルデス半島で、適期は7月中旬〜11月(9〜10月がピーク)です。
ミナミセミクジラの地理的分布
ミナミセミクジラは南緯20〜55度までの南半球全域に棲息しますが、南緯63度付近でも目撃されたことがあります。ミナミセミクジラは冬と春には海岸線付近に集中して分布します。ミナミセミクジラの主要繁殖海域はオーストラリア南部、ニュージーランド、南アメリカとアフリカ南部です。
ミナミセミクジラの特徴
ミナミセミクジラは太っており、大きな頭部は体長の4分の1を超えます。ミナミセミクジラの口唇線は弓なりで、吻は弧を描いています。
ミナミセミクジラはセミクジラやホッキョククジラと同様に背ビレや背中の隆起は痕跡も認められず、胸ビレは扇形で尾ビレは幅広く輪郭は滑らかです。
セミクジラ類はいずれも頭部にカロシティがあり、このパターンは個体ごとに異なるため、個体識別に用いられます。カロシティとはセミクジラの頭部にある皮膚のざらついた部分をさし、そのうちもっとも大きいものはボンネットと呼ばれます。
ミナミセミクジラは大抵が黒一色ですが、腹部に大きさや形状が不定の白い斑紋がある個体があり、背部にも見られることがあります。
ミナミセミクジラは体色の変異があり、青みがかった黒、明るい茶色、ほとんど白の個体が知られているそうです。
ミナミセミクジラのヒゲ板は片側200〜270枚で、3mになります。
ミナミセミクジラの行動
ミナミセミクジラは海面に浮いていることも多く、のっそりとした感じですが、驚くほど素早く活動的になることもあります。ミナミセミクジラは海面に胸ビレや尾ビレを叩き付けたり、よくブリーチングをします。
ミナミセミクジラの繁殖期は大体8月と9月ですが、交尾はほぼ1年中見られます。
ミナミセミクジラはコペポーダやオキアミを食べ、海面真下でのスキム摂餌が普通ですが、海底近くでも餌をとっているそうです。