
イッカクの生態
和名:イッカク学名:Monodon monoceros
英語:Narwhal 仏語:Narval 西語:Narval
イッカクの分類:クジラ目ハクジラ亜目イッカク科
イッカクのサイズ
新生児:体長 約1.6m成 体:♂体長4.2m ♀体長4.7mに達します。
体重は大きな個体では1,600kgに達します。
※成体の体長に牙の長さは含みません。
イッカクのウォッチング最適地と適期
最適地:カナダのヌナブト準州適 期:6〜8月
イッカクの地理的分布

主要分布域は北極圏カナダ中央部、東はグリーンランドと北極圏ロシア中央部で、北極圏ロシア東部、アラスカまたは北極圏カナダ西部では殆ど見られません。
↑☆印の海域には稀に出現
イッカクは毎年回遊し、基本的には秋に外界へ向かい、春は内湾へ向かいます。
また、分布と回遊のパターンから、3つの系群が確認されているそうです。
イッカクの特徴

イッカクはずんぐりとした体をしており、吻はほとんど無いに等しく、頭は比較的小さな球状です。
成体では丸みを帯びた小さな胸ビレの先端が反り返り、背ビレはありませんが僅かな隆起があります。
尾ビレは奇妙な形が特徴的で、成体の場合、尾ビレの前縁が真っすぐ、または凹で、後縁は凸です。
尾ビレの切り込みは深く、特に老齢の個体では先端が上へ反り返る傾向にあります。

体色は、若い個体の場合、全身が灰色または茶色がかった灰色で、年齢を重ねるにつれて背や体側に黒い斑点模様が現れ、腹部は白っぽい灰色または白くなります。
また、黒い斑点模様は、腹部にも幾つかあります。
老齢の個体ではヒレに僅かな黒が残りますが、殆ど白に見えることが多いそうです。
イッカクの上顎には2本の歯があり、雌では2本とも上顎の骨の中に埋もれていますが、雄では左の1本が頭部の前部を突抜けて成長し、3mの牙になります。
たまに牙のある雌や2本の牙を持つ雄がいます。
イッカクの行動
イッカクの殆どの群は2〜10個体ですが、多くの場合は数百から数千頭の大きく散開した群の一部である事を示すデータがあるそうで、年齢・性別による棲み分けが見られ、雄だけのグループもよく見られます。イッカクの雄の牙については長い議論の的でしたが、牙は雌を巡る雄同士の闘いに使われると考えられています。
また、海面上でスパーリング(sparring)を行っているのを目撃されているそうです。
イッカクの繁殖期は主に夏で、7〜8月です。
主な餌は、魚、エビ、イカで、時として深い海の底、または底近くで摂餌している可能性があります。