コビレゴンドウ

コビレゴンドウの生態

和名:コビレゴンドウ
学名:Globicephala macrorhynchus
英語:Short-finned pilot whale 仏語:Globicéphale tropical 西語:Calderón de aletas cortas

コビレゴンドウの分類:クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科

コビレゴンドウのサイズ

新生児:体長 約1.4m
成 体:体長 ♀5.5m ♂6.1m ♂体重 約3,600kg

コビレゴンドウのウォッチング最適地と適期

ウォッチング最適地:カナリア諸島のゴメラ島
適期:3月〜11月
   500頭以上のコビレゴンドウが、ゴメラ島とテネリフェ島の間の海域に頻繁に現れるそうです。

コビレゴンドウの地理的分布

コビレゴンドウの地理的分布
地理的分布

コビレゴンドウは暖帯から熱帯の海域で水深の深い海域に棲息しています。コビレゴンドウは普通、北緯50度以北、または南緯40度以南には棲息しません。

コビレゴンドウの特徴

コビレゴンドウは大型で、頭部は丸みを帯びており、口唇線は極度に上を向き、クチバシは極端に短いか、クチバシがありません。
コビレゴンドウの頭部は年齢や性別によって形が異なり、成体の雄はより球状になっていきます。

成体の雄では大きなおでこが角張っており、吻よりも張り出している場合があります。

コビレゴンドウの背ビレも年齢や性別による変異がありますが、背ビレは頭の先から後方への体長の約三分の一の位置にあり、基底部が長く、低い鎌状です。

コビレゴンドウの胸ビレは長く鎌状で、体長の16 – 22%の長さがあります。

コビレゴンドウの体色は黒、または黒っぽい茶色がかった灰色です。
コビレゴンドウの胸部には白っぽい灰色の錨型の模様があり、背ビレの後ろに灰色の鞍型斑(Saddle patch)は背部の高いところに位置しており、ほぼ平行に走る白い帯は線状、または涙滴状になって両目の上で終わります。

コビレゴンドウの各歯列の前部には、7〜9本の短く先の尖った歯があります。

コビレゴンドウ
コビレゴンドウ
コビレゴンドウ
コビレゴンドウ
コビレゴンドウ
コビレゴンドウ


コビレゴンドウの行動

コビレゴンドウは、太平洋の東部ではハンドウイルカ、カマイルカ、ハナゴンドウ、マッコウクジラなどの他種と混泳していることが多くあります。

コビレゴンドウは社会性が強く、数百頭に及ぶ群が観察されており、単独でいることは滅多にありません。
コビレゴンドウは鯨類の中で最も頻繁にマス・ストランドをしますが、コビレゴンドウの社会的絆の強さが原因となっているのかも知れません。

コビレゴンドウの雌は35歳で出産を終えますが、その後15年くらいは授乳を続けるらしく、授乳期間を延長することにより自分自身の子や血縁の子に繁殖上の利点を与え、複雑な社会構造を形成していることを示しています。

コビレゴンドウの出産は南半球では春から秋にかけてがピークですが、北半球では固定群によって異なります。

コビレゴンドウは魚も食べますが、基本的にはイカ食であると考えられており、他のイカ食鯨類に典型的な歯数の減少が起きています。

コビレゴンドウの動画



コビレゴンドウの声を聞けるのはこちら → Short-finned pilot whales underwater