イルカとクジラの違いについて 【1】
日本では未だクジラ類を魚と同じように扱っていますが、イルカやクジラは母乳で子を育てる哺乳類です。彼等はとても高い知能(※)を持ち、親密な社会関係を営みます。
※ 生物はそれぞれ必要な能力を進化させて来たので、別の生物と比べての優劣はつけられない。もちろん人とどちらが優れているとも言えないのですが、犬や猫とは比べ物にならない高い知能…と言われています。あるいは人と対等かそれ以上という説もあるようです。
…写真はイルカではなくマグロです(笑) こうして見ると似てますけどね。
お肉なのに魚売り場で扱われてますし。。^^;
イルカはクジラの仲間
イルカはクジラ類と同じ「クジラ目」に属する、クジラの仲間です。クジラ目はヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目に分かれており、例えばミンククジラやザトウクジラはクジラ目ヒゲクジラ亜目に属し、「イルカ」と呼ばれる種はクジラ目ハクジラ亜目に属します。
ヒゲクジラ亜目(Mysticeti)
- セミクジラ科(Balaenidae)
- コセミクジラ科(Neobalaenidae)
- ナガスクジラ科(Balaenopteridae)
- コククジラ科(Eschrichtiidae)
ハクジラ亜目(Odontoceti)
- マッコウクジラ科(Physeteridae)
- コマッコウ科(Kogiidae)
- イッカク科(Monodontidae)
- アカボウクジラ科(Ziphiidae)
- マイルカ科(Delphinidae)
- ネズミイルカ科(Phocoenidae)
- ガンジスカワイルカ科(Platanistidae)
- アマゾンカワイルカ科(Iniidae)
- ラプラタカワイルカ科(Pontoporiidae)
イルカとクジラの違いについて
ヒゲクジラ亜目とハクジラ亜目には大きな違いがありますが、イルカとクジラの分類でははっきりとした基準がありません。
例えば、「クジラ」は英語で「whale」ですが、
Killer whale(オルカ、シャチ)はクジラ目ハクジラ亜目マイルカ科に属するイルカの仲間です。
また、オルカはゴンドウクジラ類とも分類され、「体長4m以上はクジラ」という説では最大体長9.8mに達するオルカはクジラとなりますが、オルカの研究者は「オルカはクジラではなくイルカの仲間である」としています。
日本でベルーガ(Beluga)と親しまれるクジラ目ハクジラ亜目イッカク科の大きな白いイルカは和名をシロイルカとされていますが、英名では「White whale」です。
クジラ目ハクジラ亜目マイルカ科のハナゴンドウをハナゴンドウクジラと呼ぶ人も入れば、ハナゴンドウイルカと呼ぶ人もいます。
ハナゴンドウの英名はRisso’s Dolphin で、体長は「体長4m以上はクジラ」以下の1.6〜3.8mです。
また、ハナゴンドウはゴンドウクジラ類には入らず、外洋性イルカ類とされています。
つまりイルカとクジラの分類には和名も英名も関係なく、かなり曖昧のようです。
追記:ゴンドウ類はクジラ肉として市場へ出ているようですし、イルカ肉もクジラ肉として売られているようですね。ミンククジラとしてのラベル偽りもあるとか…